汚れる前の予防も大切

印鑑イメージ

私は印鑑を持って歩く。できるだけ肌身離さずもっている。
友人のはんこ屋で作ってもらった、今はかなり年季が入っている印鑑。
それが私の宝物だからだ。

近所のはんこ屋の息子は私と大親友で小学校も中学校も一緒だった。
高校だって一緒の予定だった。
親父さんとも顔見知りだったし家族ぐるみで仲が良かった。
ずっとずっと仲が良いままだと思っていた。
そう思っていた矢先、友人は事故でびっくりする位急に遠くへ旅立った。
父は葬式にも通夜にも出てお線香もことある毎にあげにいっていたのだそうだ。

月日はたち、就職が決まったその日も友人宅へお線香を上げに行った。
その時親父さんが小さいケースを持ってきた。

「お前さんが大きくなって、アイツもきっと喜んでるだろうよ」

ケースの中には、親父さんが作ったオリジナルのはんこが入っていた。

量産型とは違う、ごつい字で私の苗字が掘り込まれたはんこ。
それ以来そのはんこは私の宝物となった。
それから数十年経過し私も年をとった。
それでもこのはんこを見ると渡された時のおやじさんの顔や友人との楽しい思い出を思い出す。今度私の娘が高校を卒業して大学に通う事になる。

県外に行く娘の為に、早いうちにはんこを作っておくよう進めた所、私のはんこの話を小さい頃から聞いていた娘はすぐにつくりに行きたいと言い出した。
気持ちが変わる前につくりに行こう。ちょうど線香も上げに行きたいと思っていた。
徒歩で歩ける数十年しょっちゅう通っている道。

今ではすっかり老舗のオーラまでかもし出してる友人と親父さんの店。
オーラは老舗になっても親父さんのごつい字体は、今でも変わっていない。

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